終末のフール
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/06/26
- メディア: 文庫
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八年後に小惑星が衝突し、
地球は滅亡する。
そう予告されてから五年後の世界での
人々の生き方を描きます。
小惑星の衝突というとSFっぽくて
とても大げさですが
小惑星の衝突自体は大きな問題ではなく
その周辺、
世界が終わるとなったら人々はどうするか
というのがテーマ。
時間設定がとても巧妙で
人々のパニックが落ち着いたころの世界が描かれています。
なので、三年後に滅亡だというのに
登場人物たちはどこかのんびりしていて不思議な感じ。
この辺の、すっとぼけた感じが伊坂幸太郎っぽいと思います。
さまざまな登場人物の
それぞれの生き方が描かれていてとても面白い。
さらに
彼らがそれぞれのストーリーの中で互いに絡んでいくという
伊坂さんらしい群像劇的な展開も楽しいです。
伊坂作品の中でも結構好きな方に入ると思います。
おすすめです。
探偵ガリレオ
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/02/10
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気づけば久々の読書。
なかなか読む時間を作るのも大変です。
そんな中でもこの本は
5つの短編で区切られているので
「とりあえず今日はここまで」
という具合に一時停止でき、比較的読みやすかったです。
内容に関しては、
あり得ないだろ
と疑問を持つ点も多いですが
まぁ、あってもいいかな、という感じで楽しめます。
グダグダせずに、さらっと解決に向かうところもいい。
こちらが推理するとかではなく、
向こうが勝手にやってくれます。
こちらには与えられない情報を使って。
例を出すなら
「アレは、君の言った通りだったよ」
とかなんとか、刑事が言ってしまう感じです。
アレってなに?
教えてよ。ずるくない?
という気持ちになります(笑)
まぁでも、先ほども言ったように
さらっと解決に向かうから別にイライラしないけど。
ところで、
佐野史朗のイメージだったそうです。
うーむ。
ぶらんこ乗り
- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07/28
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最初、子ども向けの話と思いましたが
そんなことはなく
とても面白い本でした。
特に、幼い弟の書くお話が面白い。
天才的幼児として描かれているけど
これは子どもが作る話に
作者の頭の良さが現れてしまうことへの
いいわけのような気がしました。
子どもの描写って難しいと思います。
大人的発想が入ってしまってはいけないし、
逆にそれらをしっかり排除して
入念に練られた「子ども」像というのも
なんだかうさんくさい。
本に出てくるのは
大人の視点から再構築された子ども。
だから本を読んでいると時々イラっとくる子どもが登場します。
まぁでも、この本は「天才」という設定だから
あまり気になりませんでした。
ある意味、ずるい設定です。
蛇にピアス 金原ひとみ
- 作者: 金原ひとみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/06/28
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近ごろ人気の吉高由里子が気になって
映画『蛇にピアス』が気になって
まずは小説を読むことになりました。
アンダーグラウンドなお話で
なんだかよくわからないけどドキドキします。
面白かったけど
こういう題材の作品は
作者が凄いのかどうか
よくわからなくなります。
自分の枠の中から生まれたのか
枠を超えた想像なのか。
まぁ、面白けりゃいいじゃん
という話なんですがね。
それとおそらく、
濃い味で旨いものより
薄味で旨いものの方が難しい
という先入観があるんだと思います。
だから何となく認めたくない。
というわけで、
この人が次にどんな作品を書いたのかが気になります。
オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/11/28
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伊坂幸太郎のデビュー作。
日本にあるけど忘れられた島に連れていかれる男の話。
未来のことがわかるカカシや
嘘しか言わない画家などなど
変わったキャラクターがたくさん出てきます。
群像劇ではないのですが
それぞれのキャラクターが最終的に繋がっていき
伊坂さんらしい展開となっています。
様々なナゾが最終的に「答え合わせ」のように繋がっていく
というスタイルは嫌いではないです。
でも、それが安易で途中で話が読めちゃったりするとつまらない。
『重力ピエロ』はその感がありました。
この作品は変な話だから予想がつかなくて面白かったです。
人間失格 太宰治
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1990/11/20
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以前、新潮文庫で読んだことがあったのですが
集英社文庫の新しくなった装丁を見て
ついつい欲しくなり、買ってしまいました。
傑作です。
百年前に生まれた人の感性が今でも十分生きていて驚きます。
触れると面倒だから適当にごまかしているもの、
そうした人間の側面に触れている作品だと思います。
読みながら様々なところに共感するとともに
「真」を求めて自分を深く見つめれば見つめるほど
答えが出ずに、行き場がなくなっていく
という悲しい現実について考えさせられます。
妥協を許すかどうか。
もしくは、生きるか死ぬか、です。
いや、
死んじゃいけないと思う。
私は妥協が下手な人を尊く思いますが
実際には苦悩も多いだろうし、大変だろうと思います。
でも、誇りを持って生きて欲しい。
…と言われても、、、という感じではありますが。
どうすればいいんでしょうね、
太宰さん。
不思議の国のアリス ルイス・キャロル
- 作者: ルイスキャロル,金子国義,Lewis Carroll,矢川澄子
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ちゃんと読んだことがなかったので読んでみました。
物語のはじまりが素晴らしい。
「遅刻だ、遅刻だ!」といって走り抜けていくうさぎ。
うさぎを追って穴に入り、長いトンネルを落ちていく描写。
そして、体が大きくなったり、小さくなったり…
どうやったらこんな話を思いつくんでしょう。
この話を作ったルイス・キャロルは
オックスフォード大学の数学と論理学の教授だった
というから驚きです。
子ども向けの童話を作る大人は天才なんですね。
ただ、ひとつ残念だったのは
「言葉遊び」が全く理解できなかったこと。
途中から意味がわからなくなりました。
日本語訳だからというのもあるのでしょう。
文化的背景のせいもあるのかもしれない。
翻訳ってのは難しいですね。